いつもは、あのさんのことだけを綴っているのですが、個人的な内容を少々書いてみます。
私は、30年程前に自治会の会長を務めたことがあります。
もっとも、自主的にやりたくてやったことではありません。
よくあることですが、やりたいという方が全くいらっしゃらなくて、仕方なくくじ引きで決めるという流れになったのですが、まさかのいらない時の引きの強さが出てしまい見事に「”当たりくじ”」を引いてしまいました。
当然、辞退する権利もあったのですが、頼まれたら断れない性格の私は、安々と引き受けてしまいました。
めんどくさがりの私がなぜ引き受けてしまったのか、今でも不思議に感じるほどです。
結果、一番もめたのは、妻との間です。
「よりにもよって、なんでそんなん引き受けたん?もう一番いやなことやったのに。」ともう、かなりこっぴどく責められました。
400世帯ほどの比較的小さい規模でしたので務まったのと、事なかれ主義の方が多かったのも幸いしていたのかもしれません。
一番避けたかったのは、集会での長々とした議論。終わりが見えないほど長時間に渡って揉めることがあったようです。
前会長から引き継ぎを受けた時も、その点に一番苦労したとの旨を聞きました。
前述したように、めんどくさがり屋の私は、本当にできる限りの仕事を振ることに先ず専念しました。外部のくだらない会合への出席担当まで作って、自分の仕事を極限まで減らしました。
私が、専念したのは、シナリオ作りです。
残ったクリティカルパスは、集会のスムーズな進行の妨げだけだったからです。
当時、まだパソコンも手元になかったのでワープロ専用機で原稿を打っていました。
思い返すと、ほとんどルーチン作業でした。
前集会で、意見の出た懸案事項に対しての誰もが納得のできる回答を作成することを中心として、あらかじめシナリオ・結論を作成しておくという内容です。
そこに、ほとんどすべてのエネルギーをつぎ込みました。
集会の流れとして、3役をはじめとした数名の役員代表であらかじめ入念な打ち合わせを行い、そのあとで一般役員を含めた集会を行うという感じです。
結果として、ほぼ毎回シナリオ通りに進み短時間で集会を終わらせることができていました。おそらく役員の方々も、早く終わってほっとしていたのが本音だと思います。
不思議だったのは、400世帯もあれば、どこからかクレームのひとつでも出てくるだろうと、構えていたのですが、1年を通じて全くありませんでした。
思いますに、余程のことがなければ面と向かって文句は言えないのが普通であるということではないでしょうか。
これらのことを踏まえた上で、あのさんのこれまでの境遇を考えると、よくここまで這い上がってきてくださったなと、改めて畏敬の念を抱かずにはおれない次第であります。